- 「もっと自信が持てるようになったら」
- 「人前でうまく話せるようになったら」
- 「苦手なことを克服してから、やりたいことを始めよう」
そんなふうに、自分の欠点が気になって、なかなか一歩を踏み出せないことはありませんか。
何かに挑戦しようとしても、自分に足りないものばかりが目についてしまう。
人と関わりたい気持ちはあるのに、会話が苦手だからと誘いを断ってしまう。好きなことがあっても、うまくできない部分が恥ずかしくて、始める前から諦めてしまう。
欠点を直そうとすること自体は、悪いことではありません。
ただ、「欠点を直してからでないと、好きなことをしてはいけない」と思っていると、いつまでも自分に許可を出せなくなってしまいます。
苦手なことが残っている今の自分にも、できることや、楽しめることはあるはずです。
欠点ばかり気にしていると、好きなことが後回しになる

自分の苦手なところは、不思議とよく目につくものです。
会話の途中で言葉に詰まったこと。仕事で小さなミスをしたこと。周りの人なら簡単にできそうなことに、自分だけ時間がかかってしまうこと。
一度気になると、ほかのことがうまくいっていても、その部分ばかり思い返してしまう場合があります。
例えば、人と話すのが苦手な人が、誰かと会った帰り道に「あのとき、もっと気の利いた返事ができればよかった」と落ち込むことがあります。
楽しかった時間もあったはずなのに、うまく話せなかった場面ばかり思い出してしまう。
そして、次に誘われたときには「もっと会話が上手になってからにしよう」と考えるようになるかもしれません。
けれども、会話が上手になるまで人と会わないようにしていたら、誰かと過ごしたかった時間まで遠ざかってしまいます。
同じように、文章を書くのが好きなのに誤字が多いから書くのをやめたり、何かを作るのが好きなのに不器用だから挑戦しなかったり。
苦手をなくすことに意識が向きすぎると、いつの間にか、好きなことを楽しむためではなく、欠点をなくすために毎日を過ごすようになってしまいます。
ぽとり苦手なところが気になると、そこを直すことが一番大事に思えてくるよね。でも、その間に楽しみにしていたことまで諦めてしまうのは、少し寂しいね。
苦手なことは、必ずしも克服しなくていい


苦手なことがあると、どうしても「できるようにならなければ」と考えてしまいます。
もちろん、仕事に必要な技術を身につけたり、同じ失敗を繰り返さないようにしたりすることは大切です。
自分の言動で誰かに負担をかけているなら、改善が必要な場合もあるでしょう。
けれども、すべての苦手を同じように克服しなければならないわけではありません。
例えば、人前で話すのが苦手でも、少人数でなら落ち着いて話せる人がいます。
大勢の前で堂々と話せるようになることだけが、人と関わる方法ではありません。
細かい作業が苦手なら、道具を使ったり、作業の順番を変えたりすることで、負担を減らせるかもしれません。
忘れ物が多いなら、記憶力だけに頼るのではなく、目につく場所にメモを置いたり、通知を設定したりする方法もあります。
それは、苦手なことから逃げているわけではありません。
苦手をなくすことと、苦手によって生まれる困りごとを小さくすることは、別の方法だからです。
できないことをできるようにする以外にも、今できる方法を探すという選択肢があります。
何度も練習して克服することが必要な場面もあれば、工夫することで十分に対応できる場面もあります。
どちらが正しいということではなく、自分が何をしたいのか、そのために何が必要なのかによって、選び方は変わっていいのです。
欠点があることと、好きなことができないことは別


「自分には向いていないのかもしれない」
そう感じるとき、何ができないのかだけでなく、何をしたかったのかにも目を向けてみると、少し違った見方ができるかもしれません。
例えば、誰かと仲良くなりたいと思っている人にとって、本当に大切なのは、会話で一度も失敗しないことでしょうか。
言葉に詰まることがあっても、相手の話を聞いたり、一緒に時間を過ごしたりすることはできます。
もちろん、会話が苦手なことで困る場面もあるでしょう。
それでも、うまく話せないことを理由に、人と関わりたい気持ちまで諦める必要はありません。
何かを作ることが好きな人も同じです。
完成度を高めるために練習することはできますが、上手になるまで作ることを楽しんではいけないわけではありません。
最初からきれいにできなくても、時間がかかっても、自分なりに作ってみることはできます。
苦手なことがあるからといって、好きなことをする資格までなくなるわけではないのです。
私たちは、ときどき自分にだけ厳しい条件をつけてしまいます。
「もっとちゃんとできるようになったら」
「人に見せても恥ずかしくないくらいになったら」
そう考えるうちに、好きだったはずのことが、いつの間にか自分の能力を試すものになってしまう。
本当は楽しみたくて始めたかったのに、失敗しないことや、人からどう見られるかが気になってしまうのです。
上手にできるようになりたい気持ちも、好きだからこそ生まれることがあります。
だから、その気持ちを否定する必要はありません。
ただ、上達することと、今楽しむことを、どちらか一つに決めなくてもいいのではないでしょうか。
-scaled.png)
-scaled.png)
-scaled.png)
上手になりたい気持ちは、そのまま持っていていいと思うよ。でも、上手になるまで好きなことをお預けにしなくてもいいんじゃないかな。
できないところを、人に頼ってもいい


自分の欠点を気にしていると、苦手なことも全部自分で何とかしなければならないと思いやすくなります。
誰かに頼ると迷惑をかける気がする。人に助けてもらうのは、自分ができないことを認めるようで恥ずかしい。
そんな気持ちから、必要以上に一人で抱え込んでしまうこともあるでしょう。
けれども、何かを続けるために、すべてを一人でできる必要はありません。
例えば、仕事で自分の苦手な作業があるなら、確認をお願いしたり、得意な人に方法を教えてもらったりすることもできます。
もちろん、相手にも仕事や都合があります。何でも代わってもらえるわけではありませんし、自分が担うべき部分を放置していいわけでもありません。
それでも、早めに相談することで、無理のない進め方を一緒に考えられる場合があります。
人に頼ることは、必ずしも自分の力が足りないという意味ではありません。
得意なことも、苦手なことも違う人たちが、それぞれできることを持ち寄る方法もあるのです。
また、助けを借りることに気が引けるなら、まずは道具や仕組みに頼ってみてもいいでしょう。
大切なのは、何もかも自分の力だけでできるようになることではなく、自分がしたいことを、無理なく続けられる方法を見つけることなのかもしれません。
欠点を直すことだけに、自分の時間を使わなくていい


苦手なことを克服しようと努力しても、なかなか思うように変わらないことがあります。
何度も練習しているのに、同じところでつまずいてしまう。
周りの人が当たり前にできることに、自分だけ苦労しているように感じる。
そんなとき、「もっと努力しなければ」「こんな自分ではだめだ」と考えてしまうかもしれません。
けれども、苦手なことに向き合い続けるには、時間も気力も必要です。
そのために好きなことを諦めたり、人との関わりを避けたりしているなら、少しだけ立ち止まって考えてみてもいいと思います。
今、直そうとしていることは、本当に自分が困っていることでしょうか。
それとも、誰かに変だと思われたくない、欠点のない人でいたいという気持ちから、直さなければと思っているのでしょうか。
もちろん、周りの評価が気になることにも理由があります。過去に苦手なことを指摘されて、嫌な思いをした人もいるかもしれません。
簡単に気にしなくなることは難しいでしょう。
ただ、自分の苦手な部分をすべて直そうとすると、どこまでできるようになっても、また別の気になるところが見つかることがあります。
一つできるようになったら、今度は別のことができない自分を責めてしまう。
それでは、いつまでたっても「今の自分でいいから、これをやってみよう」と思えなくなってしまいます。
だからこそ、ときには苦手なことを直すための時間を、好きなことをする時間に使ってみてもいいのではないでしょうか。
例えば、会話が上手になることばかり考えるのを少しやめて、会いたかった人に連絡してみる。
完璧な作品を作れるようになる前に、今の自分が作れるものを楽しんでみる。
何かを始めるときに、苦手な部分がどうしても邪魔になるなら、そのときに必要なことを少しずつ身につけていく。
欠点を直してから人生を楽しむのではなく、楽しみながら必要なことを覚えていく。
そんな順番があってもいいと思います。



自分を直すことばかりで一日が終わるのは、ちょっともったいない気もするね。苦手なことの練習をしない日があっても、好きなことは好きでいていいんだよ。
今の自分のまま、始められることもある


欠点を気にしなくなることも、自分を好きになることも、すぐにはできないかもしれません。
今まで気になっていた部分を、急に気にしなくなるのは難しいものです。
人前で緊張する自分が嫌な日もあるでしょうし、同じ失敗をして落ち込む日もあると思います。
それでも、欠点が気になっていることと、好きなことを始めることは、両立してもいいのです。
苦手なことを抱えたまま、人と会ってもいい。
自信がないまま、好きなことを続けてもいい。
できないところは工夫しながら、必要なときには誰かに助けてもらってもいい。
そして、自分にとって本当に必要だと思うことなら、少しずつ練習してもいいのです。
欠点がそのまま魅力になるとは限りません。苦手なことが原因で、困ったり、悔しい思いをしたりすることもあるでしょう。
だから、無理に欠点を好きになる必要はありません。
ただ、欠点があるという理由だけで、自分のやりたいことまで取り上げなくてもいいのではないでしょうか。
「これができるようになったら」と、ずっと先に延ばしていたこと。
「今の自分にはまだ早い」と、諦めかけていたこと。
その中には、苦手なところを全部直さなくても、今の自分なりの方法で始められるものがあるかもしれません。
欠点がなくなる日を待つことだけが、これからの時間の使い方ではないのだと思います。








